プライバシーポリシー
ここは、目の見える人と見えない人、見えにくい人の「みる」経験を記録・公開するアーカイブサイトです。
人々が集まる場で、美術、文化、芸術を「みる」経験がどのように生まれうるのか、人々が集まる場に「障害」がどのように現れるのか。大小問わず、さまざまな「みる」経験を通して人と場の関係を考えるためにつくりました。
事業を計画するに至った経緯や背景、問題意識
2012年6月から現在に至るまで全国の美術館で目の見える人、見えない人と対話しながら「みるとはどんな経験」かを考える活動を続けてきた。約13年間の活動を経て分かってきたことがある。
一般的に、目の見える人と見えない人が言葉を介して芸術鑑賞する時に「目の見えない人が頭でイメージしやすいように、目の見える人は簡潔な言葉で説明すべき」などいくつかのセオリーがあると信じられているが、たくさんの作品についてたくさんの人と話してみるとひとつのセオリーに当てはまらない多種多様な経験があることがわかってきた。例えば目の見えない人からの「簡潔な説明ではなく曖昧な言葉を聞くことで作品の複雑さがわかる」という言葉の種類についてのご意見や、「一方的に説明されるのではなく双方向の会話によってこそ鑑賞ができる」という関係性についての意見を聞くことでセオリーとは違う多様な経験があることがわかってきた。
これまで「視覚障害と芸術鑑賞」というテーマについては、中心的に関わる障害当事者が少なかったため、発言力の大きい著名な視覚障害当事者がメディアを通して述べるセオリーが信じられてきた背景があるが、当団体が作ってきた対話の場においては大きな声にかき消されてしまいがちな小さいけれどたくさんの美術鑑賞を楽しむ経験や言葉があることがわかってきた。さらに当団体の実践だけでなく、全国各地には80年代以降たくさんの実践例がある。こうした多様なケースを類型化せずに多様なまま記録し公開することが必要だと考える。願わくばこの記録をもとにして目の見える人、見えない人、多様な立場の人(特に次世代の若い障害当事者、実践者、研究者など)にとって有益な議論ができるような場とアーカイブを作りたいと考えた。
語り
ここには、さまざまな立場の方の「みる」経験にまつわるインタビューがあります。
美術を鑑賞する方法には、視覚的に見るだけではなく、目の見える人と見えない人が一緒に言葉を交わしながら「みる」方法や、立体作品に手で触れながら「みる」方法もあります。ここでは、主に言葉を使った鑑賞会を運営している「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」の活動にご参加くださったことのある、目の見えない人、見えにくい人、見える人、それぞれの個人的な視点から語られたお話を、「みる」経験のインタビューとして収集しています。
また、全国にはさまざまな立場の人と美術鑑賞をする取組があります。そしてそこには必ず場づくりを担う人たちがいます。さまざまな立場の人が安心して「みる」経験をするためには、どんなことを考えどのようにその場をつくってきたのか、その担い手の経験をお伺いし、「みる」場づくりのインタビューとして紹介しています。
データ
この他にも、視覚障害と人々との関係にまつわるさまざまなデータを集め、公開しています。
データの選別
視覚障害者が対象であることが明示されている、もしくは視覚障害者が作者や実施者側として関わっているものに限って掲載しています。現段階では、取り組みの多い美術館を中心に掲載していますが、今後、調査範囲を広げて日本全国を対象に掲載していく予定です。主催者等のホームページもしくは、それに代わる告知情報を元に、参加対象者、タイトル、説明文等で視覚障害者が対象であると明示されているか否かで判別しました。
また、実施者側に視覚障害者がいるものは、対象に視覚障害者が明示されていなくても掲載しています。主催者から直接情報を得られたものについては、視覚障害者が参加できることが募集情報からのみでは読み取りきれない場合も掲載しています。
(ここの詳細はこれから決めるので、文章は変わったり、もっと条件文が増えたりするかもしれません)

